消費税の仕組みについて知りたいのですが、どのようになっていますか? |
<消費税は、特定の物品やサービスに課税する個別間接税とは異なり、消費に広く公平に負担を求める間接税です。 消費税の税率は4%ですが、この他に地方消費税が別途消費税額の25%(消費税率に換算して1%相当)課税されることから、これらを合わせた税率は5%となります>
Ⅰ.消費税の仕組み 消費税は、特定の物品やサービスに課税する個別間接税とは異なり、消費に広く公平に負担を求める間接税です。 消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供と外国貨物の輸入です。 この消費税は、生産及び流通のそれぞれの段階で、商品や製品などが販売される都度その販売価格に上乗せされてかかりますが、最終的に税を負担するのは消費者となります。
Ⅱ.税率 消費税の税率は4%ですが、この他に地方消費税が別途消費税額の25%(消費税率に換算して1%相当)課税されることから、これらを合わせた税率は5%となります。
Ⅲ.納税義務者 国内取引の納税義務者は個人事業者と法人です。 また、輸入取引の場合の納税義務者は保税地域から外国貨物を引き取る者となります。
Ⅳ.納付税額の計算 消費税の納付税額は、課税期間ごとに売上げに対する税額から、仕入れに含まれる税額を差し引いて計算します。
Ⅴ.中小事業者の特例 小規模事業者の事務負担を軽減するため、その課税期間に係る基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)の課税売上高が1千万円(注)以下の事業者は原則としてその課税期間の納税義務が免除されることになっています。 また、中小事業者の事務負担を軽減するため、実際の仕入れに含まれる税額を計算することなく、売上げに対する税額に一定のみなし仕入率を乗じた金額を仕入れに含まれる税額とみなすことのできる簡易課税制度が設けられています。
(注) 平成16年4月1日前に開始した課税期間については、納税義務が免除される基準期間における課税売上高の上限は3千万円以下となります。
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消費税の課税対象について知りたいのですが、どのようになっていますか? |
<消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の輸入です>
- Ⅰ.国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等
- 1.事業者が事業として行う取引
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し、継続、かつ、独立して行うことをいいます。したがって、個人の中古車販売業者が行う中古車の売買は事業として行う売買になりますが、サラリーマンがたまたま自分の自家用車を手放す行為などは、事業として行う売買とはなりません。 なお、法人は事業を行う目的をもって設立されたものですから、その活動はすべて事業となります。
2.対価を得て行う取引 「対価を得て行う」とは、物品の販売などをして反対給付を受けることをいいます。すなわち反対給付として対価を受け取る取引をいいます。 したがって、寄付金や補助金などは、一般的には対価性がありませんので、課税の対象とはなりません。 また、無償の取引や宝くじの賞金なども原則として課税の対象になりません。
3.資産の譲渡等 消費税法上、「資産の譲渡等」とは、事業として有償で行われる商品や製品などの販売、資産の貸付け及びサービスの提供をいいます。
- Ⅱ.外国貨物の輸入
「外国貨物の輸入」については、保税地域から引き取られる外国貨物が課税対象となります。 この場合、引き取る者が事業者であるかどうかは問いませんので、事業者はもとより一般消費者も納税義務者になります。
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資産の譲渡の具体例について知っておきたいのですが、どのようになっていますか? |
<国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡は、消費税の課税の対象となります。
この資産とは、販売用の商品、事業等に用いている建物、機械、備品などの有形資産のほか、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの権利やノウハウその他の無体財産権など、およそ取引の対象となるすべてのものをいいます>
- Ⅰ.資産の譲渡
資産の譲渡とは、資産につき同一性を保持しつつ、他人に移転させることをいいます。例えば、売買、代物弁済、交換、現物出資などにより、資産の所有権を他人に移転することをいいます。 また、資産の譲渡はその原因を問いませんので、例えば、他人の債務の保証を履行するために行う資産の譲渡又は強制換価手続により換価される場合の譲渡は、いずれも、課税の対象となります。 ただし、相続や時効により財産が移転した場合は、資産の譲渡には当たらないため、課税の対象になりません。
Ⅱ.譲渡したものとみなす場合 次の場合には、その時点で、原則として、時価により譲渡したものとみなされ、消費税の課税の対象となります。
- 1.個人事業者が自分の販売する商品や事業に用いている資産を家庭で使用したり消費した場合
2.法人が自社の製品などをその役員に対して贈与した場合
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前受金や前払金などがあるときは、どのような点に注意したらよいでしょうか? |
<消費税の課税資産の譲渡等や課税仕入れの時期は、原則として資産の引渡しやサ-ビスの提供があった時とされています>
消費税の課税資産の譲渡等や課税仕入れの時期は、所得税、法人税の場合と同じように、原則として資産の引渡しやサ-ビスの提供があった時とされています。 したがって、例えば、工事代金の前受金を受け取ったり、機械の購入について前払金を支払っていたとしても、その受取や支払の時期に関係なく、実際に引渡しやサ-ビスの提供があった時が売上げや仕入れの時期となります。同じように、未収金や未払金がある時も、その代金の決済の時期に関係なく、資産の引渡しやサ-ビスの提供があった時が売上げや仕入れの時期になります。 なお、前払費用のうち、所得税又は法人税の取扱いにより必要経費の額又は損金の額に算入することが認められている短期前払費用は、その支出した課税期間の課税仕入れに含めることになります。
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非課税と不課税の違いについて知りたいのですが、どのようになっていますか? |
<非課税取引と不課税取引では、課税売上割合の計算においてその取扱いが異なります>
Ⅰ.不課税取引 消費税の課税の対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等と輸入取引です。 これに当たらない取引には消費税はかかりません。これを一般的に不課税取引といいます。 例えば、国外取引、対価を得て行うことに当たらない寄付や単なる贈与、出資に対する配当などがこれに当たります。
Ⅱ.非課税取引 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等であっても、課税対象になじまないことや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引があります。これを非課税取引といいます。 例えば、土地、有価証券、商品券などの譲渡、預貯金の利子や社会保険医療などがこれに当たります。
Ⅲ.課税売上割合の計算上の非課税と不課税の違い 非課税取引と不課税取引では、課税売上割合の計算においてその取扱いが異なります。 課税売上割合は、分母を総売上高(課税取引、非課税取引及び免税取引の合計額)とし、分子を課税売上高(課税取引及び免税取引の合計額)としたときの割合です。 非課税取引は、原則として分母にだけ算入しますが、これに対して、不課税取引は、そもそも消費税の適用の対象にならない取引ですから、分母にも分子にも算入しません。
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課税の対象とならないもの(不課税)の具体例には、どのようなものがありますか? |
<消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供が課税の対象となります。そのため、以下に説明する取引は、課税の対象にはなりません>
次のような取引は、課税の対象となりません。
1.給与・賃金 雇用契約に基づく労働の対価であり、「事業」として行う資産の譲渡等の対価に当たらないからです。
2.寄附金、祝金、見舞金、補助金等 一般的に対価として支払われるものではないからです。
3.無償による試供品や見本品の提供 対価の支払いがないからです。
4.保険金や共済金 資産の譲渡等の対価といえないからです。
5.株式の配当金やその他の出資分配金 株主や出資者の地位に基づいて支払われるものであるからです。
6.資産について廃棄をしたり、盗難や滅失があった場合 資産の譲渡等に当たらないからです。
7.心身又は資産について加えられた損害の発生に伴い受ける損害賠償金 対価として支払われるものではないからです。 しかし、損害賠償金でも、例えば次のような場合は対価性がありますので、課税の対象となります。
- ⅰ.損害を受けた棚卸資産である製品が加害者に引き渡される場合で、その資産がそのままで使用できる場合や、軽微な修理をすれば使用できる場合
ⅱ.無体財産権の侵害を受けたために受け取る損害賠償金が権利の使用料に相当する場合
ⅲ.事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料に相当する場合
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非課税となる取引ついて知りたいのですが、どのようになっていますか? |
<消費税は、原則として、国内において「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け及び役務の提供」並びに「輸入取引」を課税の対象としています。
しかし、これらの取引であっても消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています>
主な非課税取引取引には、次のようなものがあります。
1.土地の譲渡及び貸付け 土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。 ただし、土地の貸付けであっても1か月未満の貸付け及び駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。
2.有価証券等の譲渡 国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡 ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。
3.支払手段の譲渡銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形の譲渡 ただし、これらを収集品として譲渡する場合は非課税取引には当たりません。
4.預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等 預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など
5.日本郵政公社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡
6.商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
7.国等が行う一定の事務に係る役務の提供 国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料。 なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。
8.国際郵便為替、国際郵便為替振替業務及び外国為替取引に係る役務の提供
9.社会保険医療の給付等 健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療など ただし、美容整形や差額ベッドの料金及び市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。
10.介護保険サービスの提供 介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなど。 ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。
11.社会福祉事業等によるサービスの提供 社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種福祉事業、更生保護事業法に規定する更生保護事業などの社会福祉事業等によるサービスの提供
12.助産 医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供
13.火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
14.一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け 義肢、盲人用安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車いす、改造自動車などの身体障害者用物品の譲渡、貸付け、製作の請負及びこれら一定の身体障害者用品の修理
15.学校教育 学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料など
16.教科用図書の譲渡
17.住宅の貸付け 契約において人の居住の用に供することが明らかなものに限られます。 ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。
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