FAQ(よくある質問と回答)

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目次


所得税を計算するときには、どのような種類の所得控除がありますか?
<所得控除の種類には、次のようなものがあります。
雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、損害保険料控除(注)、寄附金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除(この控除は女性の場合と男性の場合とがあります。)、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除>


所得税法では所得控除の制度を設けています。これは、所得税を計算するときに個人的事情を加味しようとするためです。

それぞれの所得控除の要件に当てはまる場合には、所得金額からその所得控除を差し引くことができます。税金は、その残りの金額を基礎に計算されます。所得控除の種類は次のとおりです。この法人設立届出書には、次の書類を添付します。

雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、損害保険料控除(注)、寄附金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除(この控除は女性の場合と男性の場合とがあります。)、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除。


このうち基礎控除の額は38万円です。

なお、日本国内に住所などがない、いわゆる非居住者が受けられる所得控除は、雑損控除、寄附金控除、基礎控除の三つです。


(注)平成18年度の改正により、損害保険料控除が改組され、地震保険料控除が創設されました。なお、地震保険料控除は、平成19年分の所得税から適用されます。
所得税は、申告分離課税制度が採られているとききましたが、どのようなものですか?
<所得税は、各種所得金額を合計し総所得金額を求め、これについて税額を計算して確定申告によりその税金を納める総合課税が原則です。ただし、特定の所得については、他の所得と合計しないで、分離して税額を計算し確定申告によりその税金を納める申告分離課税制度が採られています。例えば、山林所得、土地建物等の譲渡による譲渡所得、株式等の譲渡所得等、一定の先物取引による雑所得等が、申告分離課税となっています。>
Ⅰ.総合課税制度
総合課税制度とは、他の所得と合計して所得税の金額を計算するものです。
総合課税の対象となるのは、次の所得です。


1.利子所得(源泉分離課税とされるものを除く。)

2.配当所得(源泉分離課税とされるもの、確定申告をしないことを選択したものを除く。)

3.事業所得(株式等の譲渡等による事業所得を除く。)

4.不動産所得

5.給与所得

6.譲渡所得(土地・建物等及び株式等の譲渡等による譲渡所得を除く。)

7.一時所得(源泉分離課税とされるものを除く。)

8.雑所得(株式等の譲渡等による雑所得、源泉分離課税とされるものを除く。)


(注)上記3、8に係る所得の計算において、一定の先物取引による事業所得又は雑所得については、
他の所得と区分して申告分離課税の方法により所得税が課されます。


■計算方法

上記Ⅰの1から8までの所得を一定の方法により合計した金額(総所得金額)から、所得控除の合計額を控除し、それに税率を掛けて税額を計算します。


Ⅱ.源泉分離課税制度

源泉分離課税制度とは、他の所得と全く分離して、所得を支払う者が支払の際に一定の税率で所得税を源泉徴収し、それだけで納税が完結するというものです。源泉分離課税の対象となるのは、主に次の所得です。

1.利子所得

2.特定目的信託のうち、社債的受益証券の収益の分配に係る配当

3.私募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る配当

4.懸賞金付預貯金等の懸賞金等

5.次の金融類似商品

ⅰ.定期積金の給付補てん金

ⅱ.銀行法第2条第4項の契約に基づく給付補てん金

ⅲ.一定の抵当証券の利息

ⅳ.貴金属などの売戻し条件付売買の利益

ⅴ.外貨建預貯金で、その元本と利子をあらかじめ定められた利率により円又は他の外貨に換算して支払うこととされている換算差益

ⅵ.保険期間が5年以下などの一時払養老保険や一時払損害保険等の差益

6.一定の割引債の償還差益

■計算方法

1.上記1、2、3、4、5の場合
収入金額等の20%(所得税が15%、地方税が5%)が源泉徴収されます。

2.上記6の場合
償還差益の18%(特定のものは16%)が源泉徴収されます。

マイホームの取得に関して、住宅借入金等特別控除について知りたいのですが、どのようなものですか?
<住宅借入金等特別控除とは、住宅ローン等を利用して住宅を新築や購入又は増改築等をした場合で、一定の要件に当てはまるときは、その新築や購入又は増改築等のための借入金等の年末残高の合計額を基として計算した金額をその住宅を居住の用に供した年以後の各年分の所得税額から控除するものです>

Ⅰ.住宅借入金等特別控除
住宅借入金等特別控除の控除期間は、原則として、平成11年1月1日から平成13年6月30日までの間に居住の用に供した場合には15年間、平成13年7月1日から平成20年12月31日までの間に居住の用に供した場合には10年間となります。

Ⅱ.住宅借入金等特別控除の適用要件
住宅借入金等特別控除を受けるためには、住宅の面積、所得金額、使用方法などのいろいろな要件に該当することが必要です。新築や購入した場合及び増改築等などの場合では、取扱いが異なります。

Ⅲ.住宅借入金等特別控除の控除額
住宅借入金等特別控除の控除額は、住宅ローン等の年末残高の合計額を基として計算され、居住の用に供した年により控除できる額(控除限度額)が異なります。

Ⅳ.住宅借入金等特別控除を受けるための手続
住宅借入金等特別控除を受けるためには、確定申告書に、この特別控除に関して所定の事項の記載をし、住民票の写し、家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写しなどで、家屋の取得年月日・床面積・取得価額等を明らかにする書類や住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書などの書類を添付して所轄の税務署に提出する必要があります。
また、住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等も含めてこの特別控除を受けるためには、上記の書類のほか、その住宅の敷地の用に供される土地等の取得に関する一定の書類の提出も必要になります。

Ⅴ.住宅借入金等特別控除を受けるときの注意事項


1.給与所得者が最初にこの特別控除を受ける年分については、確定申告をすることが必要です。なお、確定申告した年分の翌年以降の年分については、年末調整で受けることができます。

2.給与所得者が確定申告をする際は、給与所得の源泉徴収票(原本)も必要です。

3.居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年の間に居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3、35条、36条の2、36条の5、36条の6、37条の5、若しくは37条の9の2)を受けているか又は受ける場合は、この特別控除を受けることはできませんので注意してください。
なお、平成11年1月1日以降に譲渡したもので、旧租税特別措置法41条の5(特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除)の適用に係る買換資産については、特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除とこの特別控除を重複して適用することができます。
また、平成16年1月1日以降に譲渡したもので、租税特別措置法41条の5(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)の適用に係る買換資産についても、重複して適用することができます。

(注)平成10年中に特定居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失が生じ、この譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合には、この特別控除を受けることはできません。


不動産所得の計算では、どのような点を考慮したらよいか知りたいのですが、どのようになっていますか?
<不動産所得の金額は、総収入金額から不動産収入を得るために必要な費用(必要経費)を控除して計算します>

Ⅰ.不動産所得とは
不動産所得とは、次のものの貸付けによる所得をいいます。

1.土地や建物などの不動産

2.地上権などの不動産に設定されている権利

3.船舶や航空機


Ⅱ.所得の計算方法
不動産所得の金額は、次のように計算します。

総収入金額-必要経費=不動産所得の金額

1.総収入金額
総収入金額には、資産の貸付けの賃貸料収入のほかに、次のようなものも含まれます。

ⅰ.名義書換料、承諾料、頭金などの名目で受領するもの

ⅱ.金や保証金などのうち、返還を要しないもの

ⅲ.共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代など


2.必要経費
必要経費となるものは、不動産収入を得るために必要な費用で、主なものとして次のようなものがあります。

ⅰ.賃貸住宅の固定資産税

ⅱ.賃貸住宅に係る損害保険料

ⅲ.賃貸住宅の減価償却費

ⅳ.賃貸住宅の修繕費

Ⅲ.税額の計算方法


不動産所得は、その他の所得、例えば給与所得などと合計して総所得金額を求め、確定申告によって税額を計算します。
減価償却資産で、全額必要経費になる場合があると聞いたのですが、どのような場合ですか?
<使用可能期間が1年未満のもの又は取得に要した金額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。その他、金額や一定の要件のもとでの特例があります>

Ⅰ.減価償却の概要

建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は時の経過等によってその価値が減っていきます。 このような資産を減価償却資産といいます。時の経過等により価値の減少しない土地や骨とう品などは減価償却資産ではありません。この減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額必要経費になるものではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくべきものです。この使用可能期間に当たるものとして 法定耐用年数が財務省令の別表に定められています。減価償却とは、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって 各年分の必要経費として配分していく手続です。

【注 記】

1.使用可能期間が1年未満のもの又は取得に要した金額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。

2.10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件のもとでその減価償却資産の全部又は特定の一部を一括し、その一括した 減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。

3.一定の青色申告書を提出する方が、平成15年4月1日から平成18年3月31日までに取得した30万円未満の減価償却資産については、一定の要件のもとでその取得価額に相当する金額をその業務の用に供した年分の必要経費に算入できる特例があります。
ただし、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得した、10万円以上30万円未満の減価償却資産のその年の取得価額の合計額が300万円(その年が業務を開始した日の属する年又はその業務を廃止した日の属する年の場合には、300万円を12で割ってその年において業務を営んでいた期間の月数をかけて計算した金額)を超える場合には、その超える部分に係る減価償却資産についてはこの特例を適用できません。

4.取得価額の判定に際し、消費税を含めるかどうかは納税者の経理方式によります。すなわち、税込経理であれば消費税を含んだ金額で、 税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。
なお、免税事業者の経理方式は税込経理になります。

Ⅱ.減価償却の方法の選定と届出

この減価償却の主な方法には定額法と定率法などがあり、どの方法によるかは届出が必要です。例えば、新たに業務を始めた場合には、 減価償却の方法を選定してその翌年の3月15日までに所轄の税務署長に届け出なければなりません。この届出をしないと、法定の償却方法で計算することになります。 法定の償却方法は一般的には定額法です。
また、減価償却の方法を変更しようとするときは、その変更しようとする年の3月15日までに所轄の税務署長に申請書を提出してその承認を受ける必要があります。
なお、平成10年4月1日以後に取得した建物の償却方法は、定額法のみとなります。 取得には、購入や自己の建設によるもののほか、相続、遺贈又は贈与によるものも含まれますから、平成10年4月1日以後に相続などにより取得した建物の償却方法は、定額法になります。

Ⅲ.定額法による減価償却の計算方法
減価償却費の額=取得価額×90%×償却率


【注 記】

1.取得価額は、資産の取得に要した金額で、購入価額や製造減価のほか、引取運賃、購入手数料なども含まれます。

2.償却率は、資産の法定耐用年数に応じて一定率が定められています。

3.年の中途で取得した資産についての減価償却費は、その年において使用した月数に応じた分だけです。使用月数は暦に従って計算し、1か月未満の端数があるときは切り上げます。

(注)主な減価償却資産の耐用年数や償却率は、税務署に用意されている「青色申告決算書の書き方」や「収支内訳書の書き方」などに載っています。



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